Bonne journée

Bonne journée (9)

20130112-002関東の冬は冷たく乾燥した冬である。乾燥しているがゆえに、時に、カミソリのような空気の痛みを感じることもある。パリもこの季節は同じような気温であるが、この乾いた感覚では異なっているという。1月にパリを訪ねたことはないが、少なくともフランスから日本に来た知人はそう感じるらしい。
そこに住んでいれば当たり前と感じることが、他の多くの場所ではそうでもない。フランス北西部ともなると結構雪が降るのだろうと聞くと、ほとんど積もったこともないし、そもそも降らないとも言う。ニースあたりだと冬も暖かいのかと聞くと、アルプスからの強風が冷たく、雪が降ることもあると言う。当たり前の感覚は、先入観も含んでいるというべきか。
乾燥した関東の風景のひとつに霜柱がある。繊細なガラス棒を束ねたような氷が朝日に輝く様子は美しい。子ども達にとっては、踏めば一瞬にして終わるはかない遊び道具でもある。
この見慣れた霜柱も気象学的には珍しい現象なのだそうである。大陸の冷え切った空気が海を越えて大量の水分を蓄え、日本列島の山で吹き上げられて雪を降らす。再び乾燥した空気は、関東平野を吹き抜け、冷たく乾いた空気が残される。しかし、砂漠と違って関東の肥沃な土地はたっぷりと水分を含み、この冷たい空気に覆われる。しかして、放射冷却で冷えた大地からは空に向かって水分が凍り、再び水分が吸い上げられ凍り、これを繰り返して輝く氷の柱が伸びていく。
20130112-001すなわち、大地は十分に潤っていなければならず、毛細管現象が起こるに十分な粒度と柔らかさが必要であり、そして凍ってはならないのである。氷点下の厳しい寒さの朝、凍らない大地から氷が成長するのである。
自然は時に難しい条件をいとも簡単に作り出す。

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