Bonne journée, Cross Cultural

tous les étés

 いつになく静かな夏のいつになく湿った日曜の朝、いつもより近く聞こえる教会の鐘を聞きながらシャツのしわを伸ばし、少し硬めのソファーに身を委ねる。久しぶりに街を覆うぼんやりとした霧を眺め、昨日までの熱波が終わりを告げつつあるのだろうと考える。特に何かあるわけでもない。ただ、いつもと少しだけ違う夏。
 様々な色に塗られた観光バスは皆どこかに消えてしまったのだろう。確かに旧市街にはドイツ語やらスペイン語やらが響き、見慣れないナンバーの車が通りを行き交うが、文化になどついも興味がなさそうな賑やかな集団が、わずかに傾いた木組みの店の前で大騒ぎを繰り返すこともない。観光バスのフロントウィンドウに貼られたツアーの名前を見ながら、おや、英語だとかハングル文字だとか、ひょっとしたらスオミかなと遠い国に想いを馳せ、不意にすれ違ったバスのJTBの文字に郷愁を感じたのは、もうずっと前のような気がしてしまう。ただ静かな夏。繰り返す夏。

Photo, photo challenge

A Photo a Week Challenge : Tower

すっかりバカンスシーズンの真っ只中になって、いつでも誰かが何かを求めて賑わっている旧市街を除けば、普段の街は何だか静かになってきた。 ようやく晴れて熱くなった車の小さなトランク一杯に5人分の荷物をパズルのように詰め込む様子を見ながら、その家の家族はどこにゆくのだろうと想像し、ようやく解決したトラブルの確認メールに付け足したように「良いバカンスを」という挨拶を互いに送り合いながら、次週の仕事の心配をする。今年の夏がどこかいつもと違って、冬にでも幽閉されたような気分になるのは、おそらくは気のせいでしかない。

Nothing has changed. Everybody’s on vacation and the town is going to be quiet. Only the old town is still crowded by roving people who is perhaps getting lost between past and now. Something is different, as if I were locked away in a tower somewhere, but nothing has changed.

A contribution to A Photo a Week Challenge: Tower by Nancy Merrill Photography.

Photo, photo challenge

A Photo a Week Challenge : Insects

It is amazing what a lot of insect life goes on under your nose when you have got it an inch from the earth.

Beryl Markham, West with the Night

Honestly saying, I’m not good at insects. Exactly saying, I used to catch bugs in a forest when I was a child and still like to look at those bustling but I feel something uncomfortable. It’s not so easy to explain what it is.

子供の頃は虫を追いかけたりしたものだが、大人になってどういう訳か虫というものに妙な違和感のようなものを覚えるのである。

A contribution to A Photo a Week Challenge: Insects by Nancy Merrill Photography.

Bonne journée, Cross Cultural, Photo

Salt farm

 何というか、要するに塩である。

 結晶学的には塩素とナトリウムが交互に規則正しく並ぶ面心立方格子という面白くも何ともない結晶構造を持ち、式量はおよそ58。電気的には絶縁体であって、見た目は無色透明な直方体となる。水溶性があって、水に溶ければ塩素イオンとナトリウムイオンが電導性を示すが、融点は意外に高く、およそ800度になる。地球上には海水及び岩塩として大量に存在するが、多くの生物にとって生命の維持に必須の物質であって、口に入れれば他にはない塩味を感じる。

 要するに塩化ナトリウムの結晶なのである。

 ただ、純度100%かどうかと言われれば、食用の塩はマグネシウムを多く含んでいる。カリウムやカルシウムも少なくはない。それどころか、おそらくは多くの不純物が含まれている。これらの塩化ナトリウム以外の成分が「まるやかな」塩を生む。

 物質の多くは結晶化する際に不純物を自ら排除する。大雑把に言えば、異なるイオンがあると規則正しく並びにくいため、不純なイオンは結晶に入り込みにくい。だからゆっくりと結晶化させて不純物濃度を下げるといったことも行われる。人間が手作業でやるとなると大変な労力を必要とする。海水が多ければ生産できるというものでもない。もちろん熱を加えて水溶液から水を飛ばすことで生産できるが、多くは太陽熱と風による蒸発を利用した天日塩である。海から少しずつ海水を取り入れ、徐々に浅くしながら海水濃度を上げる。やがて現れる小さな結晶を少しずつ陸にかきあげながら「乾いた」塩にしていく。雨が多く寒い地域では生産は容易ではない。暖かくて晴天率の高い地域が生産には適している。

 そうやって作る塩の北限と言われる場所のひとつが写真の「塩田」である。アジア出身の自分にはどう見ても水田なのだが、ここは紛れもなく海であり、遠くまで続く塩田の先には我々が普通知る海が広がっているはずである。

Photo, photo challenge

A Photo a Week Challenge : Rabbit!

When I was a little kid and believing the world is enough large to accept everything, wild rabbits was a same meaning of just another. I know it was my wrong guess. Nobody knows where rabbits are in my home town and honestly saying it is just where I was born now. Living in a city 13,000km far from the place rabbits was, I’m still thinking how to make the world enough large.

子供の頃を過ごした街はもはや故郷ですらなく、今は遥か1万キロ離れた遠い街から世界の狭さを感じるしかない。ただ、いなくなったと思っていたウサギだけは案外足元にいるものである。

A contribution to A Photo a Week Challenge: Squirrel! by Nancy Merrill Photography.

Photo, photo challenge

A Photo a Week Challenge : Dusk

From dawn till dusk, I’m doing … what? Of course my life, anything else?

この時期には夕暮れを感じるのが難しい。何しろ暗くなるのは22時をとっくに過ぎている。夜明けが6時だから、夜明けと共に起きて日没と共に眠る、石器時代のような生活である。朝から晩までという表現が使いにくいことこの上ない。朝から晩までとは生活そのものなのである。

A contribution to A Photo a Week Challenge: Dusk by Nancy Merrill Photography.